-ちょっとだけ迷子-

 

近くはよく見えるから 見ようとしない

遠くはよく見えないから 見ようとする

 

日常はいつも そばにあって近い

だから見ようとしない

見ようとするのはいつだって

遠くの見えない

過去、未来…

 

見えない場所を見ようとして

見える〝 今 ”というこの場所で

今日もまた

ちょっとだけ

迷子になった

 

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statement

 

私の身体は今、ここにある。

それなのに「どこかへ行って戻ってきた」

というような感覚になることがある。

目の前のものを見ていながらも

いつの間にか精神はどこか遠くに向かい始め、

やがて目の前に広がる現実へと舞い戻ってくる。

そんな精神がここにないような状態になる

ことの不思議。

私は行ったり来たりする精神の動きに着目し、

精神と身体の狭間で起こる感覚を

絵画で表現し体感することを試みる。